小話の缶詰

その日の小話を書いてます。

甲冑の少女1

午後8時過ぎにそれを見かけた。会社から自宅のアパートに帰る途中で、甲冑がいた。それは微動だにせず、話す事もなく、ただ、ゴミ捨て場の横に立っていた。

次の朝には無くなった。しかし、夜になるとまた現れた。ゴミだと思っていたが、まさか業者が戻しに来るとは思えない。それは、夜になると現れるのだろうと思う。


「ゴミじゃねーのか」

負け犬

お前は負け犬だ


ヒロシは、医者になったのに、


カオリは富豪のお嫁に行ったのに、


タカシは社長になったのに、


お前は何をしているんだ


名前も知らない会社で働き、


休日は寝てばかりで色恋沙汰もなく、


昇進の話もないじゃないか


実家から出る事もしないし、


今じゃ俺たちの介護で疲れてる


お前は負け犬だ


何で、ここを出ていかないんだ


どうして、私達と一緒にいるんだ


お前は負け犬だ


努力

努力することは良いことだ


努力しろ


努力したから今がある


怠け者


いつか損する


努力すれば報われる


努力しなければ報われない


努力しよう


でも一番大切なのは、


何のための努力なのか。


何のための努力なのかを、


知らずに努力することは、


目的地を知らずに運転するようなもので、


それは事故に繋がりやすい


何のための努力するのか。


それは努力するのに値するものなのか。


それを知ってから、


努力しよう。




生きるということ

生きるということは、


どういうこと?


生きるということは、


死ぬということ。


死ぬということまで生きるということ。


死ぬまでの過程。


死ぬまでの道程。


死んでからの備え。


だから、


どう死ぬか、


どう生きて死ぬかを、


考えて生きねばならない。


そこに他者は関係ない。


影響はあれど操作はされない。


決めるのは自分であり、


決めるのは自分であるべきだ。


責任は自分にあり、


死ぬことは自分だけのものである。


有終の美という言葉があるように、


どうせ死ぬなら、


死にたいように死ねるよう、


生きて生きたい。