小話の缶詰

その日の小話を書いてます。

王様の話

王様がいた


その王様は、自分が国も、金も、国民も、物も、全て支配したかった


家臣がいた


その家臣は、自分の国を良くしたかった

王様がやる政治よりもより良いやり方を提案したが却下された


家臣は悲しくなった


執事がいた


王様の言うことを下々に伝え、動かした

手となり足となり、王様の為に身を粉にして働いた


気づけば、周囲から恐れのこもった目を向けられていた


執事は悲しくなった



世界に絶望した時

世界に絶望したことがある


何度あったか覚えていない

でも、世界に絶望したことがある


そういう時はベッドに入った

日が昇っても出ず、家族が来たら腹痛や頭痛を訴えて、寝ることにしてた


世界に絶望したときは、

きっとこのまま絶望し続けるんだろうと思っていることもあれば、

時間が過ぎれば、明日になれば、来週になれば、来月になれば、来年になれば、きっと乗り越えた自分がいるかもしれないと期待した


あるいは、考えることをやめた


今だけよければ良いと考えた


両親の庇護にぶら下がり、

その事実を知りながら、時に考えながら、時に知らないふりをした


今は社会人として働いている


上司や、会社に絶望することはあれど、

世界に絶望することはない


私の世界は学校と家だけじゃなくなったから